代表挨拶

「逆算して勉強できる子どもを育てる」

ここ数年で、中学校教育も高校教育も求められるレベルが一気に上がりました。私が学生時代に勉強していた内容よりも、はるかに多くかつ難しい内容を今子どもたちは勉強しています。しかし、「求められる量が増えたから今までの勉強法ではダメなのか?」というわけではありません。23歳で開塾して約4年、私が子どもたちを見ていて気がついたことは「逆算する力」が必要である、ということでした。「次は何のテストがあるのか」「いつまでにワークを終わらすべきか」常に考えながら勉強できるようになった子ほど、どんどん成績が伸びていったのです。

―「逆算する力」は子どもたちが大人になって社会に出た時にも大いに役立ちます。ありさ塾では毎週の授業でテストを実施することにより、子どもたち自身が「テストをクリアするためには何をするべきか」を考える力を育てます。

家族でも友達でもない信頼できる存在の必要性

ただやみくもにテストを課すだけでは、子どもたちの考える力を育むことはできません。ありさ塾では、子どもたち自身の中から頑張る力を引き出すために「信頼関係」を大切にしています。少し長くなりますが、私自身の昔話をさせてください。

中学生の時、私はずっと勉強を頑張っていて学年1位をキープしていました。運動が飛び抜けてできるわけでも、芸術センスがあるわけでもない、何の取り柄もない私が頑張れるものは勉強しかなかったからです。そして何よりも、いい成績をとることで、【両親にほめられたい】という強い願いがありました。しかし、ずっと同じ成績を取り続けていると、やがてそれは当たり前になってしまい、ほめられることがなくなりました。少しずつ、頑張ることへの虚しさを感じ始めていたのを今でも覚えています。高校に入学してからも勉強をそれなりには頑張っていましたが、次第に「勉強を頑張ることの意味」が失われていってしまい、高校2年生頃から、勉強に身が入らなくなってしまいました。真面目にやっていれば全てが報われると思っていたのですが、自分がどこに進んでいるのかがわからなくなってしまい全てのやる気がなくなってしまったのです。結局、高校3年生の時、大学受験に失敗したのち、1年間の浪人を経て、大阪大学に進学することになります。

あの時の自分自身に何が必要だったのか、大学に通いながらずっと考えていました。
「今私が高校生の頃の私に会った場合、できることは何だろう」
「何をあの時の私は求めていたのだろうか」
考えに考え抜いた結果、気がついたのです。高校時代の私がほしかったのは「信頼して相談できる大人の存在」でした。自分の心のモヤモヤを素直に話せる存在がいなかったことが苦しかった。自分の心の中にあるもどかしさを吐き出して消化することができていたら、きっとあの頃の私は救われていたと思います。しかし、吐き出せる場所がなかった。心の内を話せるような信頼できる存在がいなかったからです。

高校生の頃の私がほしかった場所を作ろう、
そういう想いで「ありさ塾」を作ることにしました。

―話が長くなってしまいました。私自身の経験から、子どもたちには「信頼できるサポーターの存在」が極めて重要だと考えています。中高生は思春期真っ只中で、家族との会話も減ってくる時期。うまくいかない、将来に対する不安、なぜかやる気が出ない、そういう時に話を聞いてくれる人の存在は心強いものです。

ありさ塾の講師は子どもたちにとって信頼できる存在になることを目指しています。心を開くことのできる存在は、自信につながるからです。結果がでれば一緒に喜び、良くない方向に進みそうな時はしっかりと注意をする。「先生と生徒」以上に「人と人」との関係を築くことで、子どもたち自身の頑張る気持ちを引き出します。

「誠実に頑張る」子に育ってほしい

私はみんながみんな100点満点を取らないといけない、とは考えていません。勉強の器は人それぞれの大きさをもつからです。そのため、1人1人がベストを尽くして頑張ることに意味があると考えています。子どもたちと勉強をしていて、常日頃から「誠実に頑張る」ことの大切さを伝えています。(塾の子は聞き飽きてしまっているかもしれません笑)ズルをしたり、嘘をついたりすることは信用を一気に失ってしまうからです。「誠実さ」は人間関係において大切な姿勢です。勉強だけでなく、生きていく上で大切なことも子どもたちに伝えられたらと思います。

「頑張るキミ」と「うれしい」をつなげたい。

一生懸命頑張る子どもたちを結果につなげること、この成功体験が多ければ多いほど子どもたちの自信につながります。勉強は苦しいし大変です。それが「うれしい」までつながる時の喜びは格別なもの。勉強を通して、子どもたちがどんどん自信に満ち溢れるよう、全力でサポートをしていきます。そして、子どもたちと一緒に私自身も成長していきたいです。

ありさ塾 代表 牟田有沙